相手の保険会社に対する被害者の対応の仕方

1 親切な担当者との付き合い方

交通事故にあってけがをすると,通常,被害者には加害者の加入する保険会社から連絡がきます。
加害者の加入していた保険会社は,被害者が行く予定の病院等に連絡をして窓口負担が発生しないように手配をしたり,毎月連絡をしてけがの状態を確認したりします。
保険会社の担当者には,もちろん親切そうな担当者もいます。
しかし,保険会社の担当者は,本当の意味で被害者の味方になってくれるのでしょうか。
加害者の保険会社は,加害者の代わりに対応しているのですから,仮に被害者に同情しているように見えても,加害者側の人間です。
また,被害者に賠償するのは保険会社ですので,必要な治療とはいえ治療期間が長くなるほど,保険会社の出費は増えることになります。
被害者の中には,事故直後で混乱していいたり症状も重くてつらい時期に自分のために事故対応したり,毎月心配してけがの状況を聞いてくれた親切な担当者だと思って,保険会社の担当者を困らせないようにと考えるかたもいらっしゃいます。
しかし,保険会社が毎月連絡をくれるのは,治療の終了時期を探るためであって,心配して連絡をしてくるわけではありません。
親切な対応は,保険会社が被害者と円満に示談するための手段でもあります。
そこで,被害者は,保険会社からの治療費の支払いや示談金の金額について,保険会社の担当者の「これが精一杯です。」という言葉を鵜呑みにせず,要求すべきことはきちんと要求する必要があります。
保険会社の担当者から「これ以上治療費を支払うことができないので後は自己負担で通って欲しい。その分慰謝料で頑張りますので。」とお願いされたり,示談金について「この金額が精一杯です。頑張りました。」と示談を促された場合には,本当に適切な対応なのかを一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人心の弁護士が,交通事故の専門家の視点から本当に適切な対応であるかを検討させていただきます。

2 対応の悪い担当者との付き合い方

加害者側の保険会社の担当者には,何の落ち度もない被害者に対して,まだ治療が始まってもいないのに「そんなに長くは治療費を払えませんよ。」と言ったり,早く治そうと一生懸命治療をしているのに「そんなに通う必要があるんですか。」などと言う担当者もいます。
被害者は,けがによる痛みやストレスで大変な状態なのに,思いやりのない言葉をかけられるとつい感情的になってしまいます。
しかし,保険会社の担当者を怒鳴ったり,書類の返送や担当者の連絡を無視したりすると,治療費の支払いを止められたり,保険会社が被害者のかわりにする予定だった書類の取り寄せを自分でやる必要が出てきたりして,余計に手間がかかることもあります。
保険会社の担当者の態度がどんなものであれ,被害者は冷静に対応し,必要な書類は返送し,主張すべきことは論理立てて主張する必要があります。
被害者は,大変な状態の中でも,保険会社の対応には十分な説明を求め,口頭で話が出来ない場合には,文書やメールでの対応を希望するなど,被害者も対応を工夫し対処しなければなりません。
ただ,保険会社の担当者と話をするだけでストレスだという方もいらっしゃいます。
このような場合に弁護士に依頼すると,弁護士が窓口になって保険会社の担当と交渉等をしますので,被害者が直接担当者に対応をする必要がなくなります。
また,被害者がきちんとした対応をしていても保険会社の担当がきちんと対応しない場合もあります。
相手側保険会社の担当者の態度に困った被害者の方は,一度,専門家である弁護士に相談してみてください。

名古屋で交通事故に関して弁護士をお探しの方はこちらをご覧ください。

交通事故の民事裁判と弁護士費用

こんにちは。弁護士の伊藤美穂です。
今回は民事裁判をした場合に,加害者に自分が負担した弁護士費用をどの程度支払ってもらえるのかについてお話します。

1 交通事故の民事裁判
交通事故で損害賠償を請求しても話し合いで解決できなかった場合に,相手に賠償金を支払わせるために裁判をすることがあります。
弁護士費用特約に入っていれば,弁護士費用の負担がなかったり,軽い負担になったりするので,弁護士費用のことを気にすることなく裁判をすることができます。
ただ,弁護士費用特約に入っていない場合でも,通常,裁判をする際には弁護士に依頼することが多いです。
被害者本人が,裁判所に提出する書面を作ったり,毎回裁判に行ったりすることが,現実的には難しいことが多いからです。
では,加害者や加害者の保険会社が請求した賠償金の支払いに応じずに裁判になってしまった場合,裁判のためにかかった弁護士費用は誰が負担するのでしょうか。

2 弁護士費用の負担
民事裁判は自分で行うこともできますので,弁護士に依頼するかどうかは被害者の自由です。
自分の労力と時間を使って,被害者自身が裁判をしたという方もいます。
そこで,実際に弁護士費用がかかったからといって,その全額が事故と因果関係がある損害として認められるわけではありません。
では,裁判所は,どのようにしてその金額を判断しているのでしょうか。
もちろん,裁判所が,事故と相当因果関係のある損害としていくらを加害者に負担させるかは,個別の事情にもよります。
しかし,実務上は,事故と相当因果関係がある弁護士費用として認められるのは,裁判所が損害として認めた額の10%となることが多いです。
裁判所の認容した額の10%となると,実際にかかった弁護士費用のごく一部になることが大半です。

3 弁護士費用特約の必要
このように,裁判をしても,認められる弁護士費用は,被害者が負担しなければならない弁護士費用のごく一部だけということが多いです。
交通事故にあって,加害者からしっかりと賠償を受けるために裁判をしようとしても,費用がかかって弁護士に依頼することが出来ない場合も考えられます。
そこで,交通事故にあわれた方は,ご自身やご家族の自動車保険,ご自宅の火災保険等に弁護士費用特約がついていないかどうかをご確認ください。
弁護士法人心にご相談の際に加入状況を教えていただければ,弁護士に依頼するべきかや依頼するタイミング等についてもお話させていただきます。

交通事故で健康保険を使う場合に必要な届出

名古屋でも段々と暑さが緩んでまいりました。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今回は,交通事故で健康保険を使用する場合についてお話します。

1 第三者行為による傷病届
被害者の方にも過失がある等,交通事故に遭った被害者の方が,ご自分の健康保険を使って通院される場合があります。
交通事故のように自分以外の第三者の行為によって負傷した場合に健康保険を使って通院するには,自分の加入している健康保険組合に対して,第三者行為による傷病届等の書類を提出する必要があります。
勿論,交通事故で病院に行く前に提出することは現実的には難しいですので,後日,出来るだけ早く提出すればよいことになっています。
労働災害の場合を除いて,治療をする際に健康保険を使って治療を受けることは認められています。
被害者の方にも過失があって自己負担が生じる場合,被害者が一旦立て替えて支払わなければならない場合,治療費が高額になり過ぎないようにする場合など,被害者であっても健康保険を使用することがあります。

2 届出が必要とされる理由
それでは,なぜ届出が必要になるのでしょうか。
通常,病気になったり,自分でころんでけがをした治療の場合等で,健康保険を使うときには,病院で健康保険証を提示する以外に届出は必要ありません。
しかし,交通事故により治療が必要になった場合には,その治療費の全部または一部は,本来,加害者が支払うべきものです。

健康保険組合は,被害者が窓口で支払った治療費を除いて病院に支払いをしますが,これは加害者が支払うべき治療費を健康保険組合が立て替えて支払っているということになります。
そこで,健康保険組合は,後日,加害者に立て替えている分の治療費を請求します。これを求償といいます。
健康保険組合が加害者に立て替えた治療費の請求するためには,加害者の情報が必要になりますので,第三者行為による傷病届等を提出する必要があるのです。

3 弁護士にご相談を
健康保険を使用して通院するべきかは,それぞれの事故の状況や事情によって様々です。
健康保険を使って通院する必要がない場合にも,相手保険会社に使用をお願いされる場合もあります。
相手保険会社からお願いされる場合には,ある程度書類を整えてくれますが,ご自身で届出書類を作成する場合にどうすればいいか分からないかたもいらっしゃいます。
相手保険会社から健康保険を使うように言われたなどで健康保険を使うかどうかの判断に迷われた方や,交通事故で健康保険を使った後にどうすればいいか分からない方は,是非,弁護士法人心にご相談ください。
詳しい事情を伺って,弁護士からアドバイスをさせていただきます。

交通事故後すぐに初診を受ける必要

残暑はまだまだ厳しいですが,名古屋も少し涼しくなってきました。
皆様は体調を崩したりしていないでしょうか。

1 初診の遅れ
夏休みやお盆の間に交通事故の被害者になった方から,この時期に増える相談があります。
初診が遅れてしまい,保険会社が治療費を払ってくれないという相談です。
お盆休みや年末年始などは,医療機関も休診になる場合も多いです。
また,この時期は旅行や帰省中であったり,交通事故にあって痛みを感じていてもすぐに医療機関に行かず,初診までの間隔がかなりあいてしまうことがあります。
交通事故で痛みが発生してもすぐに病院に行かなかった場合には,初診が遅れたことで治療費の支払いを拒絶される場合があります。
事故から2週間程度が経過すると,自分の加入している保険会社の人身傷害保険や自賠責保険であっても,事故と症状との因果関係を否定して治療費の支払いを拒絶される場合が多いです。

2 事故と症状の因果関係
初診が遅れてしまうと,その症状がその交通事故により発生したものか,通院までにそれ以外の原因があったなどの様々な可能性がでてきてしまい,時間が経てばたつほど事故が原因かどうかがはっきりとは分からなくなっていってしまいます。
通常,交通事故に遭われて症状がでれば,治療のためにすぐに病院に行くと考えられています。
すぐに病院に行かなかったことについてよほど合理的な理由がなければ,治療費を支払ってもらえないという事態が生じてしまうのです。
何週間も経ってから始めて診察を受けたような場合には,なぜ症状があったのに病院に行かなかったかを十分に説明できなければ,保険会社に治療費を支払うよう説得できません。
交通事故に遭われた方は,痛みや違和感等,何か身体に症状がある場合には,すぐに病院で診察を受けて,自分の症状を詳しくお話してください。
また,初診が遅れた場合でも,事故直後に違和感があって徐々に痛みが増していったなど,小さな症状についてもいつからどのような症状があったのかを詳しく医師に説明して,症状が発生した時期をカルテに残しておいてください。

3 交通事故に遭ったときには
交通事故に遭われた方は,まずは弁護士法人心のホームページをご覧ください。
ちなみに,弁護士法人心のホームページ上の集合写真が新しくなりました。
こちらの弁護士法人心のホームページを是非ご覧になってみてください。
弁護士法人心のホームページも弁護士法人心の弁護士,スタッフも日々進化を続けてまいります。

示談のタイミング

名古屋も急に暑くになってきましたが,皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日は,交通事故の被害者が示談をするタイミングについてお話します。

 

(1)相手と一旦示談してしまうと原則やり直せません
相手の保険会社にいわれるままに示談書や免責証書にサインをしてしまった被害者の方が,後々やはり納得できないと思って弁護士に相談される場合があります。
また,中には,治療中にもかかわらず相手の保険会社と示談してしまったという被害者の方までいらっしゃいます。
しかし,一度相手と示談をして書面にサインをしてしまうと,原則として示談をやり直すことは困難です。

 

(2)示談の効力
治療中に示談をしてしまうと,示談をした後に思った以上の治療費がかかったり,後遺障害が残ったりした場合でも,原則として補償を受けることが出来ません。
また,一旦保険会社の書面にサインをしてしまうと,後に金額が低額であることが分かっても原則として再度交渉して増額をさせることもできません。

相手の保険会社から送られてきた書面には,今後この交通事故に関して一切の請求をしない旨の清算条項が入っているのが通常だからです。
もちろん,示談した時点で予想すること不可能な後遺障害が発生した場合に,示談後の請求を認めた判例等もあります。
しかし,当事者が納得して合意したはずの内容に変更を加えるのは例外的なことであると通常は考えられています。

 

(3)示談するタイミング
交通事故で示談する場合には,治療が終了し,後遺障害申請の結果が出るなど,全損害が確定してから示談をしてください。
また,仮に傷害部分を後遺障害の認定前に示談する場合には,示談書や免責証書に「後遺障害部分を除いて」との文言があるかどうかを確認してください。
全損害が確定して初めて,適切な賠償金額がいくらかを判断することが出来るようになります。

 

(4)示談前にご相談を
低額な金額で示談して後悔をすることがないよう,必ず示談する前に弁護士法人心にご相談ください。
適正な示談金額等について,弁護士からアドバイスをさせていただきます。

交通事故による賞与の減額

名古屋も段々と暑くなってまいりました。
そろそろボーナスの支給時期といった方もいらっしゃると思います。

交通事故にあった方が,勤務日数の減少等により,ボーナスの金額が減額されてしまうことがあります。
勿論,会社の規定や好意で全く影響もなく支給される場合もあります。
その場合には問題になりません。
ところが,保険会社から休業損害を受け取ったとしても,勤務日数等の不足でもらえるはずだった賞与が減額されることもあるのです。
気づかないうちに賞与が減額されれば,交通事故の被害者にとって大きな損害になります。
交通事故による休業等が原因で賞与が減額されてしまった場合には,会社に賞与減額証明書を書いてもらえれば,就業規則等の計算方法により減額された分の賞与を損害として保険会社から受け取れることがあります。
賞与を支給するかどうかや支給金額を決める要素は,業績や人事評価など様々です。
しかし,就業規則等に賞与支給の基準があって,それに基づいて交通事故が原因で減額をされているような場合には,書類等により交通事故が原因で賞与が減額されたと立証できますので,容易に減額分の請求は可能なのです。
賞与減額証明書には,平常に勤務していた場合の支給金額および支給計算式や,欠勤により減額した額および減額計算式等の様々な記載が必要ですが,会社できちんと決まっていれば,記載していただくことは可能です。
賞与の減額根拠となる証拠である,規定内容が書かれたものの写しが必要となりますので,会社の協力は不可欠です。

保険会社が賞与の減額の有無について被害者に確認してくれることはあまりありません。
自分で賞与の減額がないかを把握して請求しないと,示談した後には請求することができなくなります。
交通事故にあって休業が生じた場合には,賞与の減額がないかについてチェックをしたほうがよいと思います。

休業損害の計算方法については,こちらをご覧ください。

交通事故の相談で事故の相手方の名前を聞く理由

1 相手等の名前を確認する必要
弁護士が相談を希望する方からご相談を受ける場合,必ず紛争の相手方等の名前を確認しなければいけません。
これは,弁護士自身と相談者の利害が対立したり,弁護士が依頼を受けている別の依頼者や顧問先との利害が対立したりなどする場合に,弁護士の職務の公正に対する信頼が損なわれるからです。
例えば,同じ事務所の中で,当該交通事故の加害者の刑事弁護をしている弁護士がいたり,加害者の勤め先が事務所の顧問先であったりした場合には,自分の話したことが相手に伝わってしまって相手が有利になるように情報が使われるのではないかと心配になってしまいます。仮に実際に情報が伝わらなくても,情報が伝わる可能性があるだけで弁護士に対する信頼が損なわれてしまうのです。
また,弁護士を信用してすべての事情を話していただかないと,適正な判断をすることはできません。相談する際に心配してすべての情報を話せないようでは,きちんとした法律相談はできません。
一方,相談者は断られたとしても,別の弁護士に相談することができますので,無理に利益相反となる弁護士に相談する必要はありません。
そこで,弁護士法等で,利益相反関係にある場合には,原則として依頼を受けることはできないと定められています。

2 確認のためのご協力
このように,弁護士は,ご相談を受ける前にきちんと相手方などの名前を確認して,相談や依頼を受けたことがある人ではないかを確認しなければなりません。
当事務所にご相談の際にも,お電話をいただいた方に相手方の氏名を確認させていただいております。
ご相談の前に必ず伺う必要がございますので,ご相談の際にはあらかじめご準備をいただくとスムースにお調べすることができます。
また,お調べした際にもし同姓同名の方が過去の相談者等にいらっしゃった場合には,相手の年齢や住所などできる限りの情報をいただいて調べることになります。情報をいただいても利益相反の可能性がある場合には,申し訳ございませんが相談自体をお断りさせていただいております。
色々な情報を伺うことになり,お手数をおかけすることにはなりますが,弁護士に相談する際には必ず必要となることです。
今後ともご協力をよろしくお願い致します。

名古屋駅法律事務所の交通事故のサイトはこちら

実況見分調書について

こんにちは。弁護士の伊藤美穂です。

今日は,交通事故で人身届出をしたときに作成される実況見分調書についてお話します。

交通事故にあわれた方が,警察にケガをしたと申告して病院の診断書を提出すると,警察が当事者双方の話を聞いて実況見分調書を作成します。
実況見分調書を作成する場合には,減速した位置や相手を発見した位置など,事故の状況について当事者が警察に話したことが,実況見分調書に記載されて記録として残ります。
物損として警察が受け付けて,物件事故としての書類を作る場合には,実況見分調書は作成されません。

実況見分証書を作成していれば,調書を作成したときに相手が主張していた事故状況が記録としてある程度残ることになり,その後に違う事故の状況を主張しても,主張が変わった理由を合理的に説明できなければ,証拠として信用されないことになります。

ただ,実況見分調書は,警察が刑事手続のために作成するものであり,民事事件のためのものではありません。
そのため,警察の捜査が終了して,加害者の刑事処分が決まるまでは,実況見分調書などの警察が作成した書類を取得することができません。
交通事故の件が刑事裁判になっていれば,裁判手続が終わるまでは取得できません。
また,どのような手続がとられたかによって取得できる書類が決まっていたり,取得方法が決まっていたりすることもありますので,作成されていても取得できない書類もあります。

自分に過失が無いような場合には,人身届出をして,実況見分調書を作成しておいたほうが安心です。

休業損害と有給休暇

 こんにちは。弁護士法人心名古屋駅法律事務所の弁護士伊藤美穂です。
 本日は,弁護士として日々の法律相談をしていて気になったことについて,お話をしようと思います。

 会社などにお勤めの方が,交通事故のケガの治療のためにお仕事を休んだり早退したりして通院することが必要になった場合には,仕事を休んで減給された給与分の休業損害が相手の保険会社から支払われます。
 ケガをされた方に,交通事故がなければ得られたはずの収入が得られなかったという損害が発生したためです。

 では,有給をとってお仕事を休まれた方には,休業損害は支払われないのでしょうか。
 確かに,有給休暇を使用して休んだ場合には,給与は減額されません。
 しかし,おケガをされた方は,本来は他のときに利用できた有給休暇を取得する権利を失ってしまいます。
 また,交通事故がなければ残りの有給の買取りを会社に請求する予定だったかもしれません。
 怪我の治療のために有給休暇を取得して休んだ場合には,休業しても現実の収入減額は発生しませんが,財産的な損害は発生していると考えられます。

 そこで,交通事故のケガの治療のために必要があって有給休暇を使用してお仕事を休んだ場合には,給与の減額がなくても,休業損害が発生していると言えます。
 会社に書いてもらう休業損害証明書の用紙を見ていただければ,内訳として,使用した年次有給休暇の日数を書く欄があることがわかります。

 法律相談の中で確認すると,保険会社からの十分な説明を受けておらず,交通事故のために仕事を休んだけれど有給休暇を使ったから休業損害を請求できないと思っていらっしゃっる方がかなりいらっしゃいます。

 有給休暇を使用して病院に通われた方は,せっかくの有給休暇の権利を失ってしまったのですから,是非,会社に休業損害証明を作成してもらってきちんと有給休暇分の補償を受けてください。

 そして,交通事故のことで何か気になる点があったり,分からないことがある場合には,是非,弁護士法人心までご相談ください。
 交通事故の被害者が,しっかりとした賠償を受けられるよう,ご相談にのらせていただきます。