1 交通事故の結果と過失割合
交通事故により発生した結果と過失割合は、原則として無関係です。
交通事故の結果としてどれだけ大きなケガをしたとしても、過失割合は客観的な事故の状況等によって決まりますので、関係ありません。
例えば、歩行者が赤信号を無視して横断しているときに、青信号で直進してきた自動車と衝突した場合には、通常は歩行者が大きなケガをする一方で車が大きく破損することはないので、通常は、交通事故の結果としては歩行者の損害の方がが大きくなります。
しかし、歩行者が大きなケガをしたとしても、赤信号で横断している以上は、原則として歩行者の過失が大きくなり、歩行者であっても加害者になります。
もちろん、歩行者は交通弱者ですので、基本的には保護されて過失を減らす方向になっています。
しかし、歩行者だからと言って交通ルールを守らなくてもよいわけではありません。
事故の状況によっては過失割合が大きくなって加害者になることもあります。
ケガをした場合には被害感情は大きくなりますが、事故状況をきちんと記録に残して、過失割合については冷静に話し合わなければなりません。
2 交通事故の過失割合については弁護士に相談を
このように、交通事故の過失割合は、事故の結果とは別に判断されます。
一方、過失割合が大きくても、損害自体が大きければ相手に請求できる場合もあります。
交通事故の加害者であっても、重い後遺障害が残ったり、亡くなったりした場合に、損害全体の金額が大きくなると、ある程度過失を差し引いたとしても相手に請求できるものがあることもあります。
また、加害者であっても100%の過失割合でなければ、自賠責保険から賠償金を受け取れるばあいもあります。
また、自分の入っていた保険会社を利用することで、一定の賠償金を受け取れることもあります。
交通事故にあった場合には、お早めに弁護士に相談してみてください。