1 高速道路の特殊性
高速自動車国道や自動車専用道路という高速道路の交通方法については、法律においても一般道路とは異なる規制があります。例えば、高速道路においては、最低速度を維持する義務があったり、横断・転回・後退が禁止されていたり、本線車道通行車の本線車道進入車に対する優先などが定められています。
高速道路は自動車のみの通行が予定されており、一般道路よりも高速度での走行が予定されているため、高速道路における自動車の安全かつ円滑な走行のための特例となっているのです。
そこで、高速道路では一般道路とは異なる注意が必要となることがあります。
2 高速道路で交通事故が発生した場合の対応方法
高速道路で交通事故にあった場合には、後続車と自分の安全を確保するために一般道路とは異なる対応を行う必要がある場合がでてきます。
高速道路で交通事故にあった場合には、急ブレーキとならないようにハザードランプを点灯させながら路肩によりつつ徐々に減速して停車し、停車車両の後方に発煙筒や三角版を設置して車両の存在を知らせます。後続車も高速度で走行しているため急ブレーキになると追突などの危険が発生するためです。
また、できるだけ路上を歩くことはさけながらガードレールの内側などの安全な場所に避難します。高速道路上の車は後続車に追突される可能性が高いため、車内に残るよりも停車車両の後方のガードレール内などに避難したほうが安全なのです。
そして、安全を確保した状態で通報をすることが求められています。
3 高速道路上の交通事故の過失割合
このように高速道路では一般道路とは異なる対応を求められています。
そこで、高速道路上の交通事故の過失割合についても、一般道路とは異なる過失割合になります。
例えば、近くに横断歩道や交差点のない一般道路を横断する歩行者と自動車の事故では基本割合は歩行者20%、自動車80%になります。ところが、高速道路を横断する歩行者と自動車の事故の過失割合では歩行者の過失の方が高く、基本割合は歩行者80%、自動車20%となります。
高速道路上の交通事故は高速度車両との事故になるため被害は大きくなりがちですが、過失割合については一般道路とは異なっており、判断が難しくなりがちです。
高速道路で事故にあわれた方は、お早めに弁護士にご相談ください。