悪天候と交通事故

1 悪天候時の交通事故

 台風の接近や局地的な豪雨の最中に自動車の運転をすると、雨や強風の影響で、視界不良がおこったりハンドルを取られりするなど、交通事故の危険が高まります。

 台風などの悪天候の際にも、どうしても自動車の運転をしなければならないこともあるかと思います。

 悪天候の中で運転をする場合には、速度を落とし、車間距離を十分に空け、ライトをつけるなど、状況に応じて慎重な運転をする必要があります。

 ただ、慎重な運転をしていても、交通事故を起こしたり、交通事故に巻き込まれたりする場合はどうしてもあります。

 では、台風などの悪天候の影響を受けて交通事故が発生した場合には過失割合に影響があるのでしょうか。

2 台風などの影響と過失割合

 台風の際の交通事故であっても、原則としては過失割合の考え方に影響はありません。

 過失割合は、自動車の運転自体が様々な環境下で行われる前提で決められたものであるため、予測できるような影響を受けた程度では修正要素として考えられないからです。

 ただ、想定外の事情がある場合にまで全く修正されないというわけではなく、例外的に修正される場合もあります。

 例えば、駐停車ができない道路上で、想定できないような豪雨による視界不良があってもやむを得ず走行していたところ前方車両に追突したような場合には、過失割合が減る可能性があります。

 また、豪雨の際に冠水可能性が高い道路を無理に走行して冠水で立ち往生をしているところに他の車両が接触した場合など著しく不適切な判断を行った場合には、過失割合が増える可能性があります。

 台風や豪雨などの悪天候の際には、より慎重な運転を心がけてください。

3 交通事故のご相談は弁護士に

 悪天候での交通事故で過失割合の修正があるかどうかは、裁判例が通常より少なく、より慎重な判断が必要です。

 交通事故の際の過失割合に納得いかない場合には、お早めに弁護士にご相談ください。