交通事故で加害者が保険に入っていない場合

1 自動車保険と任意保険

自動車による交通事故によって発生したケガの損害を賠償してくれる保険には、自賠責保険と任意保険があります。

すべての自動車は、自賠責保険に入っていなければ運転することはできないと自動車損害賠償保障法で定められており、自賠責保険は強制保険になっています。

自賠責保険に入らずに自動車を運行した場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金になりますし、無保険での運転は交通違反として違反点数6点がつくので、即、免許停止処分になります。

自賠責保険は、通常は車検の時に保険金を支払いますので、自賠責保険に入っていないケースは少なくなっています。また、自動車にかかっている保険で、加害者等の意思にかかわりなく使用することもできます。

ただし、自賠責保険は、交通事故で他人が死傷した際に支払われる保険ですが、死傷をした被害者救済のための最低限の賠償しかしてくれませんので、自賠責保険の金額では賠償金全額に足りないことが多くなります。また、自賠責保険はケガについての保険で物損については補償していません。

そこで、通常は、自賠責保険で賠償金が不足した際の上掛けの保険として、任意保険に加入することになります。

このように、自動車による死傷の際の自動車保険は2階建ての構造になっており、被害者ができるだけ救済されるように設計されています。

2 加害者が任意保険に未加入の場合

通常のように加害者が任意保険に入っていれば、加害者に代わって任意保険が被害者の治療費等の支払いをするので、安心して治療を行うことができます。

しかし、近年、任意保険に入っていない方も増えてきていますし、稀に加害者が任意保険を使わないと言い張る場合もあります。任意保険は契約者が保険を使用する意思を示さないと使えませんので、加害者が使わないと言ったり、加害者と保険会社が連絡を取れなかったりすると、加害者の任意保険が対応することができません。

加害者に任意保険がなければ、通常は、車の修理など物損については直接加害者本人に請求し、ケガについては加害者の自賠責保険に請求をしてから不足分を加害者本人にすることになります。

加害者本人が賠償できるほどのお金を持っていない場合も多いですし、自賠責保険に請求するためには原則として治療を一度立て替えることになります。

そこで、場合によっては、被害者が加入している保険の、車両保険や人身傷害補償を使用することもあります。

3 加害者が自賠責保険に入っていない場合

自賠責保険が強制保険とはいえ、加害者が自賠責保険に入っていないこともあります。

加害者が車検の切れた車に乗っていたり、何らかの理由で自賠責保険に入れていなかった場合には、自賠責保険に請求することができません。

そのような加害者は、加害者本人に賠償能力がないことが多くなります。

そこで、加害者が自賠責保険に入っていない場合や、ひき逃げなどで加害者や加害車両が特定できない場合には、政府保障事業によって、必要最小限の救済を受けることになります。政府保障事業は、他の手段によって救済されない被害者のための必要最小限の救済ですので、自賠責保険よりも更に厳しい定めになっています。なお、政府は、被害者に支払った賠償金を、後ほど被害者に代わって加害者に請求します。

4 交通事故の際には弁護士に相談ください

加害者が任意保険に入っていれば、交通事故にあった後は加害者の任意保険と連絡を取り合いながら治療をして、賠償金の支払いを受けることができます。

しかし、任意保険に入っていなければ被害者がご自身の保険を使う場合以外は、ご自身で手続を行っていく必要が出てきます。

交通事故にあったときには、お早めに弁護士にご相談ください。

交通事故と行政処分・刑事処分

1 交通事故と行政処分

 交通事故を起こしても、誰にも怪我をさせてない場合には、物損事故になります。

 物損事故の場合、当て逃げをしなければ、原則として行政処分を受けることはありません。

 行政処分が行われる場合、違反行為の内容により違反点数が加算され、過去3年間の合計点数(累積点数)に応じて、免許の拒否、保留、取消し、停止等の処分を受けることになります。

 刑事罰とは違って、道路交通上の危険を将来的に防止するために行われる処分ですので、刑事処分とは別に行政処分も受けることになります。

免 許停止や免許取消になると、車の運転等をすることができなくなるので、仕事で運転をしていたり、介護や子供の送迎に車が必要な方などにとっては、死活問題です。

2 交通事故と刑事処分

 交通事故の刑事処分には、懲役、禁固、罰金などの刑罰があります。警察が捜査をして検察に証拠等を送った後、検察が刑事処分をするべきであると判断すると検察が起訴をし、裁判が開かれて裁判所が刑事処分を決定します。起訴をされて刑事処分を受けると、前科がつくことになります。

 検察が起訴する場合には、罰金が相当と考えた際の略式起訴と懲役や禁錮などの重い処罰が相当と考えた際の正式起訴があります

 略式起訴であれば本人が裁判所に行かずに処分されますが、正式裁判の場合には、裁判所で裁判が開かれて通常は本人が何度か裁判所に行き、刑事処分が決定されます。

3 物損事故のままにするデメリット

 交通事故の加害者には、行政処分や刑事処分を免れるために、人身事故届をせずに物損のままにして欲しいと懇願してくる人もいます。

 しかし、被害者の方は、人身事故届をしないことで不利益を受けることがあります。

 物損事故の場合は、刑事事件にはならないので、警察は、物件事故報告書という簡単な事故書類を作成するだけで実況見分調書などを作りません。人身事故の場合には、後の裁判の根拠となるように、当事者や目撃者に詳しい事情を聞いて供述調書を作成したり、実況見分をして事故の状況を詳細に記録してくれます。

 物損事故のままでは、過失割合で争いになっても、実況見分調書がないため事故当時当事者が主張していた事故状況を確認できません。

 また、物損事故のままにしておくことで、治療期間や後遺障害の際に、場合よっては軽くみられてしまうなど不利益に扱われることもあります。

 交通事故でケガをした以上は、できる限り人身事故に切り替えておく方が安心です。

4 交通事故の際にはすぐに弁護士にご相談ください

 一旦物損事故として処理されたとしても、事故が原因で負傷したと言える場合には、警察に診断書を届け出て、物損事故から人身事故に切り替えることができます。

 しかし、加害者や相手保険会社から、物損事故のままでもきちんと賠償しますと言われて、デメリットを理解せずに人身事故としての届出をしていない方もいらっしゃいます。

 交通事故にあった方は、すぐに弁護士にご相談ください。

交通事故と弁護士

1 京都の交通事故数

 京都府の人身事故の数や死亡事故の数は近年は徐々に減少しているようです。

 京都府警の発表によると、2022年の京都府の交通事故死者数は45人、人身事故数は3810件となっています。京都府で統計上交通事故で亡くなった方の中では、高齢の方が多くなっておりますが、様々な年齢の方が自動車に乗車中のみならず自転車や歩行中など様々な状態で交通事故に遭っています。

2 交通事故の損害賠償

 交通事故に遭った被害者は、加害者に対して、治療費や休業損害、慰謝料など様々な請求ができる可能性があります。

 加害者が任意保険に加入をしていれば保険会社が対応しますが、保険会社は加害者側の保険会社ですので、被害者の味方ではありません。示談交渉をしないと、適切な賠償金を提示してこないことが多くあります。

 また、加害者が任意保険に入っておらず自賠責保険にしか入っていない場合には、加害者が損害賠償金の立て替えができないと、被害者が治療費などを一旦立て替えて自賠責保険に被害者請求をしなければならないこともあります。

 交通事故に遭った時には、被害者自身が対応することが難しいことが多くあり、専門的な知識や経験が豊富な弁護士に依頼したほうがスムーズです。

3 交通事故に遭われたら弁護士にご相談ください

 交通事故に遭った場合には、なるべく早く弁護士にご相談ください。

 弁護士に依頼をすると、保険会社や加害者への対応を任せることができ、加害者側に対する対応のストレスから解放されます。 

交通事故によるむちうちと他覚所見

1 むちうちの入通院慰謝料と他覚所見 

 他覚所見は、医師が自覚症状や器質的異常を裏付けると判断した、理学的検査、神経学的検査、臨床検査、画像検査等から導き出される異常所見をいいます。

 交通事故の入通院慰謝料の裁判基準は、入通院期間を基準に算定されますが、『民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準』(赤い本)では別表Ⅰと別表Ⅱに分かれていて、「むち打ち症で他覚症状がない場合等」は別表Ⅱを使用すると書かれています。別表Ⅱは別表Ⅰよりも金額が少ないですので、むちうちの慰謝料は他覚所見の有無により違っていることになります。

2 むちうちの後遺障害と他覚所見

 一般的に半年程度むちうちの治療をすると大幅な改善が見込めないことが多いですので、症状固定となってむちうちの後遺障害申請をすることになります。

 むちうちであっても、事故当初から常時痛が継続していて回復が困難であれば、自覚症状だけで他覚所見がなくても、「局部に神経症状を残すもの」として後遺障害等級14級9号が認定されることがあります。 

 一方、MRI検査やCT検査での画像所見があり、画像所見などで明確に事故が原因でむちうちの症状が発生したことが他覚的に証明できれば、「局部に頑固な神経症状を残すもの」として、12級13号が認定される可能性があります。外傷性のヘルニアを発生する場合には非常に大きな外力が必要になりますが、ヘルニアなどの器質的異常により神経根の圧迫等が生じて、それにより対応する部位に痛みや痺れなどの症状が発生していれば、他覚所見が認められるとしてむちうちで12級が認定される可能性はあります。

 他覚所見の有無で後遺障害等級が違っており、等級によって賠償される金額が違っていますので、後遺障害においても他覚所見があるかどうかは非常に重要です。

3 むちうちと検査

 交通事故でむちうちになった場合には、検査等による他覚所見の存在が重要になります。検査をしてもむちうちの治療内容に違いはないかもしれませんが、被害者側が事故と症状の因果関係などの様々な事実についての最終的な証明責任を負っている以上、必要な時期に必要な検査を受けておくことは非常に重要です。

 また、他覚所見があれば治療の時間がかかることについて説明がつくため、様々な検査の結果は、保険会社との治療期間の打ち切り交渉においても役立ちます。

 交通事故で症状の改善が遅いような場合には、きちんと検査を受けて症状の原因を追究する必要があります。

 交通事故でむちうちになった場合には、お早めに弁護士にご相談ください。

 

交通事故の際の警察提出用の診断書

1 警察提出用の診断書

交通事故でケガをしても、警察にケガをしたとの診断書を届け出なければ、警察の手続上は物損事 故として取り扱われます。

物損事故の場合には、実況見分調書等は作成されず、簡単な捜査しか行われません。交通事故でケガをした場合には、きちんと警察に連絡をして診断書をもっていくことが必要です。

もちろん、事故直後はケガをしていないと思い警察にケガはないと言ってしまっていても、時間がたってからケガをしていることに気づくということもあります。

そのような場合でも、警察に連絡をして診断書を提出すれば、物損事故から人身事故に切り替えることも可能です。

人身事故の届出に法律で決まった期限などはありませんが、人身事故に切り替えないまま長期間そのままにしていると、時間が経って警察も捜査や事故とケガとの因果関係の判断が難しくなるので、人身事故への切り替えを嫌がる可能性が高くなります。

交通事故でケガをした場合には、なるべく早く人身事故の届出をしましょう。

警察に診断書を提出して人身事故にしてもらうと、交通事故証明書に人身事故であることが記載されて、ケガをしたことを証明もしやすくなります。

2 警察提出用の診断書の内容

警察提出用の診断書は、事故でケガをして病院に行った後すぐに作成してもらうことになります。

警察提出用の診断書は、ケガの症状や程度について細かく記載するというよりも、交通事故によりケガをしたことを明らかにして捜査などを開始するための書類という意味合いが強くなります。

そこで、被害者にその後新しく症状が出てきり、全治日数では治らなくても、傷病名や全治日数を無理に書き直してもったり、診断書を再度書いてもらう必要はありません。

警察提出用の診断書は、あくまで警察が刑事処分や行政処分をするために作成されるものです。診断書の記載が全治何日になっているか、診断書上の治療期間によって違反点数も変わってきます。

診断書上の全治日数は、あくまで人身事故であることが明白にして大まかなケガの大きさを示すものですので、診断書の全治日数で治らないのではないかと心配する必要はありません。

警察提出用の診断書の全治日数を気にして、治ってもいないのに治療を中断してはいけません。

警察提出用の診断書の記載は気にせずに、医師に相談しながらきちんと治療を続けましょう。

3 交通事故にあったらすぐに弁護士にご相談ください

交通事故に遭った直後は、体調が悪いなかで治療に加えてやるべき手続きも一番多い時期です。

交通事故についてよく分かららないまま時間がたってしまうと、取り返しのつかないことになって しまうこともあります。

交通事故で気になることがありましたら、お早めに弁護士にご相談ください。

交通事故の加害者が弁護士をたてるとき

1 加害者側の弁護士

  交通事故の加害者になった場合は、加害者が任意保険に加入しているときには、保険会社が加害者の代わりに交通事故の対応をしています。

  しかし、事故の状況や損害の内容が複雑であって対応が難しい場合や、被害者が怒鳴ったりするなどして注意が必要な場合は、保険会社の担当者が対応するのが難しいので、任意保険会社が判断して弁護士を立ててくることがあります。

  また、他にも、加害者自身が弁護士に依頼することを希望していれば、弁護士を代理人として依頼することもあります。

  例えば、事故の態様が重く、加害者が刑事処分を受ける可能性があるときには、弁護士に依頼することがあります。加害者が不起訴にしてもらったり、刑事処分を軽くしてもらったりするためには、早期に被害者と示談を成立させなければなりません。このようなことを希望するような場合には、加害者は自分で弁護士に依頼します。刑事処分が決まる前に、早く示談をして示談書を提出することや、被害者から許してもらって書面をもらうことで、刑事処分が変わってきます。

  被害者の立場からしても、窓口が弁護士になるだけですので、本当は、加害者側の弁護士から連絡が来たからといって怖れる必要はありません。

2 加害者側の弁護士との交渉

  加害者側の弁護士との交渉でも、加害者本人と加害者の加入する任意保険会社の意向が影響を与えます。

  ただ、弁護士が窓口になっていますので、本人や保険会社は、裁判をした場合に主張が認められるかどうかなどのアドバイスを受けています。裁判で認められない可能性がそれなりにあると判断されれば、その損害は賠償されません。

  加害者側に弁護士がついている場合には、専門家と個人が交渉することになりますので、被害者が交渉することが難しくなることがあります。また、相手が弁護士だからと委縮してしまう方や弁護士の言うことだからと信用してしまう方もいらっしゃいます。相手は弁護士ですが、加害者側の弁護士ですので、被害者の利益を考えてくれるわけではありません。

  加害者が弁護士に依頼して弁護士から連絡がきたような場合には、被害者も一度弁護士に相談してください。

  

交通事故の加害者に対する弁護士費用の請求

1 訴訟の相手方に対する弁護士費用の請求
  被害者が、加害者などに対して損害賠償請求の訴訟をする際には、弁護士費用が必要になります。

  では、被害者は、加害者に対し、訴訟を行うために弁護士に支払う費用を訴訟で請求できるのでしょうか。

 弁護士費用は、原則として、自己負担とされています。なぜなら、訴訟は、弁護士に依頼しなくても本人が行うことができるとされており、弁護士を使って裁判を行うかは本人の自由だからです。

 また、訴訟費用は敗訴したものの負担となりますが、弁護士費用は原則として訴訟費用には含まれてません。

 そこで、弁護士費用は、弁護士に委任すると決めた本人が負担をすることが原則です。

2 交通事故における取扱い

  しかし、現在は、交通事故の損害賠償請求訴訟を行う際に弁護士が代理人となった場合には、弁護士費用の一部が損害として認められる運用がされています。

  これは、昭和44年2月27日の最高裁判決で 、不法行為の被害者が、自己の権利擁護のため訴を提起することを余儀なくされ、訴訟追行を弁護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものにかぎり、右不法行為と相当因果関係に立つ損害というべきであるとして、相当因果関係がある弁護士費用の一部について損害として認められているからです。

 ただし、不法行為と相当因果関係にある損害として認められているとはいえ、その額は実際に支出した弁護士費用の金額そのものではなく、当該不法行為から通常生じると認められる範囲の金額となります。

 実務上は、裁判所が損害として認容した金額の1割程度が弁護士費用の目安とされています。

 判決の際に、認容額の1割程度が弁護士費用として認められたとしても、実際の弁護士費用には足りないことが大半です。また、実務上、訴訟で和解する際には弁護士費用が計上されないのが通常です。

 裁判に勝てば弁護士費用は相手から支払われると安易に考えて弁護士費用特約などに入っていないと、裁判をすることで費用倒れになってしまうため被害者が訴訟を諦めなければいけない場合も出てきます。

3 弁護士へのご相談を

  交通事故などで訴訟を検討されている方は、弁護士費用を含めた訴訟のメリット、デメリットの検討をしつつ、賠償金についての保険会社との交渉をすることが必要です。

  交通事故にあった際には、お早めに弁護士にご相談ください。

  

電動キックボードが特定小型原動機付自転車に

1 道路交通法の改正

令和4年4月に道路交通法の改正案が可決されました。新しいルールも必要になりますので、具体的な施行日が決まっていませんが、令和6年4月頃を目途としているようです。

モーターの定格出力が0.6キロワット以下の電動キックボードは、現在、原動機付き自転車(原付)として取り扱われています。

原付は、公道を走れますが運転免許が必要で、自賠責保険に加入し、ヘルメットを着用して車道を走行しなければならないなど、一定の決まりがあります。現在、電動キックボードで公道を走行する際には、道路交通法を守って走行する必要があります。また、制動装置、前照灯、後写鏡等の構造や装置について、道路運送車両法の保安基準に適合しなければ、道路を走行することができません。

例えば、無免許運転の罰則は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金ですし、飲酒運転やスマホを操作しながらの運転などは勿論違反です。

2 特定小型原動機付自転車

今後、最高速度が時速20キロ以下の一定の条件を満たす電動キックボードは、特定小型原動機付自転車として位置づけられます。

現在と同様に車体に一定の保安部品を備えなければなりませんが、16歳以上であれば運転免許証が必要ではなくなり、ヘルメット着用が努力義務になる見込みです。自転車道も走れるようになります。

移動手段が多様化して便利になっていきますが、交通ルールやマナーを守らなければ、慣れない運転で交通事故が多発することになります。

改正道路交通法の施行後も、新しいルールを十分に理解し、安心安全な運転を心掛けてください。

3 電動キックボードと過失割合

電動キックボードが特定小型原動機付自転車となり原付ではなくなるため、これまで原付の準じて考えられてきた電動キックボードとの交通事故の際の過失の考え方が変わってくる可能性があります。

免許が必要なくなり、自転車と近い取扱いになることにより、電動キックボードとの交通事故の際の過失割合についての裁判所の考え方に変化が発生する可能性があります。

これまでの裁判例の積み重ねがない状態で過失を判断することは、ますます難しくなりそうです。

電動キックボードとの交通事故が発生した場合には、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

兼業主婦の休業損害

1 主婦の休業損害

 誰かと同居して家事をしている家事従事者が、交通事故にあって家事をすることができなくなった場合、原則として家事従事者の休業損害が認められます。

 家事は報酬のないものですので、家事従事者は、対価としての報酬が減額されるわけではありません。

 しかし、家事労働は、同居している人のサポートをして同居の方の収入を増加させ、また出費を抑えるものです。家事労働には、経済的な価値が認められるため、休業損害が認められます。

 家事従事者の休業損害では、家事に支障が生じた程度をどう主張、証明していくかなどの難しい問題があり、金額についての交渉が必要になります。

 このように、家事労働には給料などの対価は支払われませんが、自分以外の人のためにする家事は金銭的に評価され得るものですので、主婦についても休業損害が認められています。

 なお、お一人暮らしの場合は、自分のためにする家事ですので、原則として、家事従事者の休業損害は認められていません。

2 給与所得者の休業損害

 働いて会社から給料をもらっている給与所得者は、原則として、事故が原因の休業で給料などが減額された分の金額を請求することができます。

 給与所得者の休業損害は、減額された金額などの必要な情報を会社に休業損害証明書を書いてもらって、請求します。

 第三者である会社が証明してくれますので、きちんと書類を揃えれば、比較的容易に休業損害の請求ができます。ただし、損害額の計算方法に違いがあることもありますので、注意が必要です。

3 兼業主婦の休業損害

 兼業主婦は、給与所得者の側面と家事従事者の側面の双方の側面を有しています。では、休業損害を請求する際には両方の損害を請求できるのでしょうか。

 実務では、兼業主婦が休業損害を請求する際には、通常、会社等を休んだことによる休業損害と家事従事者の休業損害のいずれか有利な方を選択して請求することになっています。

 仕事と家事を一生懸命両立させている兼業主婦にとっては納得できないかもしれませんが、現実の収入額が全年齢平均賃金を上回っているときは実収入額で、下回っているときは全年齢平均賃金をもとに計算して請求することが多くなっています。

 兼業主婦の場合には、保険会社から、家事労働の労働時間自体は専業主婦に比べれば少なくならざるを得ず、家事労働分について専業主婦と同等の評価できないと主張されることがあります。また、仕事を休まずにできた以上は、家事もできたはずだと主張されることもあります。

 実際には、代替要員確保ができなかったり、仕事上の資格の関係で他の人と交代ができなかったりなど様々な理由で、どうしても仕事を休むことができないことがあります、このような場合に、無理に仕事をして、より一層家事に支障が出ることもあります。

 保険会社から働いている場合には家事従事者の休業損害は払えないと言われてすぐに諦めてしまってはいけません。

 休業損害について納得がいかない場合には、一度、弁護士に相談してみてください。

 

交通事故と労災保険

1 労災保険の使用

通勤中やお仕事中に交通事故にあった場合には、加害者の任意保険会社だけでなく労災保険を使うこともできます。

ただし、任意保険会社と労災保険の両方に同じ損害項目があったとしても、一方から給付をされたものについて、二重に給付を受けることはできません。

例えば、労災保険から療養の給付を受けて労災保険が治療費を支払っている場合には、労災保険が支払った治療費については任意保険会社に請求することはできません。

通常は、労災保険が支払った治療費や休業給付等については、労災保険が加害者の過失割合等に応じて、加害者側の自賠責保険や任意保険会社等に求償しますので、労災保険を使ったからといって加害者側が支払いを免れるわけではありません。労災保険が負担すべきでなく加害者が負担すべき損害については、労災保険が労働者のために立て替えた後、加害者の加入する保険や加害者本人に請求する構造になっています。

また、労災保険の使用は被害者にもメリットがある場合があります。

被害者側にも過失があったような場合や、加害者が任意保険に入っていない場合、短期で保険会社からの治療費支払いの打ち切りが見込まれるような場合などでは、労災保険を使用することは被害者にとってもメリットがあります。

2 労災保険と健康保険

通勤中や仕事中のおケガの場合には、健康保険が使えません。

健康保険よりも労災保険の使用が優先されますので、労災保険が使える場合に健康保険証を提示して治療を受けることができません。

間違って健康保険証を提示して支払いをしてしまうと、病院で労災保険への切り替えができない場合には、一旦これまでの治療費を全額自己負担で立て替えてから労災保険に申請して返金してもらわなければならなくなることがあります。

一旦自己負担が必要になったり、かなり複雑な手続が必要になったりしますので、通勤中や仕事中に交通事故にあった場合には、十分注意する必要があります。

ただ、交通事故で健康保険を使う場合には、通常は第三者行為による傷病届をする際に健康保険組合等から事故にあったときの状況を確認されます。帰宅経路から一旦外れた場合等、判断が難しい場合もありますが、第三者行為による傷病届をすれば、手続中に健康保険が使えるかどうかがはっきりします。

きちんと手続をすれば間違いに気づけるようになっていますので、事故直後で大変な時期ですが、必要な手続きはお早めに行ってください。

詳しくは、弁護士にご相談ください。

大型連休中の交通事故にご注意ください

1 安全運転

今年は、久しぶりに行動制限のないゴールデンウイークになりました。

レジャーや帰省、お買い物などで自動車などで外出される方が多くなっています。

久しぶりに運転をしたり、ちょっと無理をして遠出をしている方もいらっしゃるかと思います。運転や道に慣れていなかったり、疲れて注意散漫になっていたりして、交通事故が多発する時期でもあります。

久しぶりにお出かけになる方は、無理のない計画でいつもよりもスピードを落として安全運転でお出かけください。また、長距離の運転をされる方は、きちんと交代や休憩をはさみながらの運転をお願いいたします。

そして、乗車している方はシートベルトをきちんと着用して、安全を確保してください。

2 事故にあったら早期の通院

そうはいっても、自分が安全運転をしていたり、歩いていたりしていて交通事故に巻き込まれてしまう方もいらっしゃいます。

長期の連休中には、医療機関や保険会社がお休みで通院開始が遅れてしまう方がいらっしゃいますが、症状がでたかたはすぐに病院にいって診察や検査を受けてください。

初診が遅れてしまうと、ケガと事故との因果関係が不明確になってしまい、交通事故として治療費等の損害の賠償を受けることができなくなってしまいます。

大型連休中に交通事故にあわれた方も、すぐに病院に行ってください。

3 まとめ

連休中は交通事故が増加するタイミングです。

気を付けていても万一交通事故に巻き込まれてしまったら、早めの通院と弁護士への相談をお願いします。

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交通事故と労災保険

1 加害者側加入の保険と労災保険の関係

 交通事故での治療は自由診療しかできないと思っている方も多くいらっしゃいます。

 しかし、通勤中の交通事故や仕事中の交通事故では、労災保険が使えることも多くあります。

 勿論、被害者の方に過失がなく、重傷事故ではない場合には、加害者側の保険会社が治療費を負担するので労災保険を使わないという選択もできます。

 一方、保険会社に治療について口出しされたくない場合には、労災保険を使って治療をする方もいらっしゃいます。

 両方の制度が使える場合には、被害者が使うかどうかを選ぶこともできます。

 ただし、加害者が加入している保険会社から損害賠償を受ければ、支給調整がされるため、同じ趣旨のお金を二重に受け取ることはできません。

 例えば、労災保険で治療をした際に保険会社に治療費を請求することはできませんし、保険会社から休業損害を受け取った場合には、労災保険の休業(補償)給付を受け取ることはできません。逆に、休業(補償)給付を受け取った後に、保険会社に休業損害を請求するときには、休業(補償)給付で受け取った金額(給付基礎日額の60%)を差し引いた金額を請求することになります。

2 労災保険を使うメリット

 せっかく労災保険を申請しても、慰謝料など一定のお金は支払われませんし、支払われる給付金も賠償金から差し引かれるのであれば、申請する意味がないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 しかし、労災保険の特別支給金や援護金などの一定の支給金は、福祉的な理由で支給されるものですので、労災保険から受け取ったとしても賠償金から差し引かれることはありません。

 ケガをして入院するなどして長く休業した場合には、労災保険から支払われる特別支給金の金額が大きなものになり、労災保険の申請をすることで生活の助けとなることもあります。

 また、被害者にも過失がある場合には、保険会社からの賠償金は原則として過失相殺されますが、労災では過失相殺されません。

 労災保険からの支給内容と保険会社からの賠償金には、それぞれ制度が異なることで内容が異なるお金が支給され、異なるメリットが生まれることもあります。

3 弁護士への相談の必要

 労災保険を使うかどうかは、被害者がおかれているそれぞれの事情により、メリットデメリットがあります。

 交通事故にあわれた方は、できるだけ早く弁護士に相談してください。

 

 

 

 

交通事故での過失割合

京都も急激に暖かくなってきました。

暖かくなって外出する機会が増えてきますと、歩行者や自転車での交通事故が増加してきます。

皆様も十分お気を付けください。

1 過失割合の決まり方

交通事故での被害の大きさと過失割合は全く別の話になります。

勿論、被害者側の損害が大きい場合が多いですが、被害の大きさを比べて過失割合が決まるのではありません。

例えば、歩行者と自動車の交通事故では、通常は、歩行者の被害の方が大きくなります。

しかし、大けがをしているからといって、歩行者が常に被害者とは限りません。

基本的には、客観的な事故の状況をもとに過失割合は決まります。

話し合いで解決する場合には、保険会社や本人との話し合いで決まることもありますし、裁判になれば事故状況等をもとに裁判官が決めることになります。過失割合については、別冊判例タイムズ38「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」が典型的な事故状況での判例上の過失割合をまとめており、それを参考にして過失割合を決めることが多くなっています。

例えば、交差点で、歩行者が信号が赤に変わって時間がたってから横断を開始し、自動車が青信号で直進してきてお互いが衝突した場合には、通常は歩行者でも加害者になります。歩行者だからというだけで被害者になるわけではありませんし、歩行者が大けがをしたか軽傷だったかでも過失割合は変わりません。

このように、客観的な事故状況により、過失割合は判断されますが、双方が認識している事故状況が違えば、過失割合の主張は大きく違ってきます。

まずは、事故状況についてのお互いの認識が同じかどうかを確認する必要があります。

事故状況について共通の認識があれば、事故状況に応じた基本的な過失割合や修正要素について検討する必要があります。

事故状況について認識が違えば、それぞれの認識や証拠をもとに過失割合について争うことになります。

2 民事事件と警察

交通事故があると、警察が捜査をします。しかし、警察は行政罰や刑事罰に必要な範囲での捜査をしているため、それ以外の捜査はしてくれません。また、民事についての過失割合を決めてはくれません。

ただし、警察が作成した資料を民事事件で活用することはできます。

警察が作成した実況見分調書などを取り寄せることで、実況見分をした当事者が、実況見分をした当時、事故状況をどのように説明しているかを知ることができます。

ドライブレコーダーや防犯カメラなどにはっきり写っているなど、事故の状況の客観的な証拠が残っていなければ、警察が作成する書類が本人のお話し以外の唯一の書類となることがあります。

交通事故にあわれて過失割合について争うことになりそうな場合は、必ず人身事故届出をして実況見分をしておいてください。

未成年が交通事故でケガをした場合

1 未成年の損害賠償請求

 交通事故にあった被害者の方が未成年の場合、誰が発生した損害の賠償請求をするのでしょうか。

 未成年者には、原則として財産を処分する行為能力が認められていませんので、未成年は原則として自分で損害賠償請求や示談をすることはできません。

  損害賠償請求は、被害者が未成年の場合には、原則として、未成年者の親権者が損害賠償請求をすることになります。

 未成年者の父母が婚姻中は父母が共同して親権を行使しますので、本来は保険会社と示談をする際には父母双方の署名が必要になりますし、弁護士に交渉を依頼する場合には父母双方が契約書などに署名をする必要があります。

 父母が離婚する場合には、父母のいずれが親権を持つのか父母の一方を親権者に定めるとされていますので、定められた父母のいずれか一方が親権者になります。

 親権者が亡くなったりして親権を持った方がいない場合には、未成年後見人を家庭裁判所に選任してもらう必要があります。

2 未成年の損害賠償請求

  未成年が交通事故にあった場合でも、治療費や慰謝料の請求については、原則として、成人の方と同じです。

  12歳以下のお子様の場合には、状況にもよりますが、通常は親が通院等に付き添う必要がありますので、付添看護費が認められやすくなります。

  もちろん、成人の場合でも、入通院の付添費は医師の指示があったり、ケガの程度が重かったりした場合には認められますが、被害者が幼児等の場合には、近親者が付き添う必要性はかなり認められやすくなります。

  また、付添看護費の日額については様々ですので、場合によっては交渉により増額されることもあります。

3 弁護士にご相談を

  お子様が交通事故にあった場合には、ご両親が対応をすることになり、お子様へのフォローと保険会社に対する対応で疲れ切ってしまいがちです。

  未成年が交通事故にあった場合には、弁護士法人心京都法律事務所にご相談ください。

  

  

交通事故にあった後の解決方法

1 示談交渉での解決

交通事故で被害にあった場合には、通常、保険会社又は相手本人に請求をして示談交渉を行います。

示談交渉とは、話し合いでの解決を言います。

話し合いですので、お互いに了承しなければ示談はできません。

しかし、お互いに納得していれば、支払われる金額についての根拠は必要ありません。

お互いにある程度譲り合うなどして金額に合意ができれば、それだけで和解して示談交渉で解決することができます。

2 訴訟での解決

金額で折り合いがつかずに示談交渉が決裂したり、話し合いでの解決を望まない場合には、訴訟を行うことになります。

相手の合意なく支払いをさせようとした場合には、訴訟をする必要があります。

弁護士がいるからといって、それだけで相手が認めない金額を支払わせることはできません。

加害者が弁護士に依頼して交渉したからといってそれだけで被害者が提示してきた金額に応じる必要はありませんし、被害者が弁護士に依頼して交渉してきたからといってそれだけで無理やり金額に納得していないのに支払いを強制できるわけでもありません。

訴訟をして判決が確定すれば、相手が自発的に支払わなくても、強制執行を行うなどして、知っている相手の財産から支払いを受けることができます。

3 解決のために弁護士をご利用ください

交通事故の賠償金を支払わせるためには、示談交渉で賠償金の金額に合意して和解するか、訴訟によって金額を裁判所に決めてもらう必要があります。

いずれの場合でも、相手との交渉や賠償金の金額が適正かどうかの判断は容易でないことが大半です。

交通事故にあった方は、弁護士に相談して、きちんと適正な賠償金を受け取るようにアドバイスを受けてください。

自転車同士や自転車と歩行者との交通事故

1 自転車での事故の場合

 道路交通法上、自転車も軽車両として交通規制に服することになっています。負傷者の救護義務や警察への報告義務は自動車の場合と同じです。

 自転車同士の事故や自転車と歩行者の事故でも警察への届出が必要ですし、届出をすれば交通事故証明書が発行されます。

 また、ケガをした場合には、診断書を届け出て人身事故届出をすると、実況見分がおこなわれます。

2 警察に届けない場合のデメリット

 特に自転車での事故は、きちんと届出をしておかないと、相手がきちんとした連絡先を教えてくれていなかった場合などには、事故の相手を特定ことができなくなり、損害賠償を請求することができなくなります。

 事故直後は大したことがないと思っていても、むちうちのようにしばらく後から重い症状がでてくるケガもありますので、事故が発生した場合にはきちんと警察に届出ることが大切です。

 また、そんな事故はなかったなどと言われた場合には、事故があったことを請求する側が証明しないといけなくなりますので、大変なことになります。

 せっかく保険に入っていても、事故があったことを証明しないと保険金が下りませんが、相手が協力してくれないと保険金の請求ができなくなることもあります。

 警察に届出をして交通事故証明書を作成してもらえるようにしておけば、このような心配は必要ありません。  

3 自転車同士や自転車と歩行者の交通事故も警察へ

 自転車事故にあった場合もきちんと警察に届出をしてください。

 特にケガをしたような場合には、その場で届出ていなくてもできるだけ届出をして、きちんと事故があったことを警察に証明してもらえるようにしておいてください。

  

 

道路の状況と過失

 最近は急に冷え込んで寒くなってきました。

 場所や時間帯によっては道路が凍結してスリップ事故などが発生することがあります。

 雪が降ったり道路が凍結したりした場合には、過失を考慮する際に通常とは少し違った考慮要素が加味される可能性があります。

 まず、雪道や凍結した道路では、不用意にブレーキを踏むとスリップすることになります。そこで、過失を考慮する際に、急なブレーキ操作の有無が考慮されることになります。

 また、寒冷地では、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなどのスリップ事故対策をして道路を走行していないかが過失認定の際に考慮されます。

 雪道や凍結した道路では、法定速度よりも下回る速度で走行すべきとされる場合があったり、通常よりも車間距離をあけることを要求される場合もあります。

 法定速度等も常にそれさえ守っていればよいというわけではなく、道路の状況等によっては、思わぬ事情が過失を認定する際に考慮されることがあります。

 過失については、様々な要素が考慮される場合がありますので、もし、相手保険会社から言われた過失割合に納得がいかない場合には、早めに弁護士などの専門家にご相談いただいて、何か有利な事情等がないかを確認された方がよいでしょう。

交通事故にあった時には

 新型コロナウイルスも少し落ち着いてきたため、外出をされる方も増えてきています。

 車での外出が増えているため、交通事故も増えていくことと思います。

 ご自身は安全運転をしていても、交通事故に巻き込まれてしまうことはよくあります。

 交通事故にあった場合には、まずはご自身等の身体の安全を確保しつつ、他の方の救護、警察への通報、必要に応じて救急車の手配等をしてください。

 また、可能であれば、2次災害が起こらないように車のハザードランプをつけたり、車両等を道路の端などの安全なところに寄せたりしてください。

 安全や状況に問題がなければ車の状態の写真を撮っておいたり、相手の連絡先等を確認することも大切ですが、写真を撮るために道路を歩き回ってかえってご自身が自動車にひかれてしまうこともあります。

 交通事故にあってしまった時には、まずはご自身の身体の安全を守ってください。

交通事故にご注意ください

新型コロナウイルス感染者の増加が少し落ち着き、連休も近づいてきています。

少しずつ活動が活発になりつつありますが、移動の際に公共交通機関を使わないようにするために、久しぶりに自動車を運転される方が増えています。

久しぶりに運転される方が慣れない運転で事故を起こしてしまったり、普段は通らないような慣れない道や初めての道を通ることで事故を起こしたりすることが増えています。

自動車を運転する際には、安全運転を心がけてください。

また、気を付けていても交通事故の被害にあってしまった場合には、なるべく早く弁護士法人心京都法律事務所にご相談ください。

早めに相談をすることで、安心して交通事故対応を行うことができるようになります。

交通事故にあった方の初回の法律相談料は無料になっていますので、お気軽にご相談ください。

交通事故で弁護士へ依頼する理由

1 被害者の弁護士へのご相談,ご依頼 

 交通事故の被害者が法律相談を受けた後に,正式に交通事故での相手に対する損害賠償請求を弁護士に依頼する場合には,通常は契約書を作成して署名や押印をします。

 その後,交通事故で弁護士が被害者から相手に対する損害賠償請求の依頼を受けると,弁護士は受任通知という通知を送ります。

 受任通知は,弁護士が依頼者から依頼を受けて代理人になったという旨の通知です。

 加害者が任意保険会社に入っていれば相手の任意保険会社に,任意保険に入っていなければ加害者本人に通知を送ります。

 弁護士が受任通知という通知を相手に送ると,その事件の窓口は弁護士になり,お互いにすべて弁護士を通してやり取りをすることになります。

 受任通知が相手に届いた後は,原則として依頼者本人が加害者や相手保険会社に直接連絡を取ることができなくなります。

 一方,加害者本人や相手保険会社も,原則として弁護士を通さずに依頼者に連絡を取ることができなくなります。
窓口が担当弁護士に固定されますので,お互いに送付したい書類や伝えたいこと等の一切を弁護士を通じて行うことになります。

2 被害者が早めに弁護士に依頼する理由

 相手保険会社の担当者とやり取りをすること自体がストレスになるような場合には,早めに弁護士に依頼される方もいらっしゃいます。

 また,相手保険会社の担当者と過失や治療期間についての交渉をしてもきちんと話を聞いてくれないので代わりに強く主張して欲しい場合や,後遺障害の申請をしてほしい場合,提示された示談金が適正でないので交渉して欲しい場合等に依頼される方もいます。

 被害者の方が弁護士に依頼されるタイミングは,個々の事情により様々です。

 ただ,どのタイミングで依頼するかを検討するためにも,弁護士への相談は,早めにしておくべきですし,できれば節目ごとに依頼を検討するべきです。

3 加害者が弁護士に依頼する理由

 逆に,加害者が弁護士に依頼したような場合には,加害者の弁護士から受任通知が送られてきて,一切のやり取りを相手弁護士を通してすることになります。

 双方に弁護士が入っていると,お互いに一旦弁護士を通して,弁護士同士がやり取りをすることになります。

 弁護士に依頼すると,対決姿勢をとったとか反省がないなどと思われる方がいらっしゃいますが,必ずしもそうではありません。

 事実関係に争いがなくても,その法的に意味が争われる場合や事件が複雑で保険会社の担当者では対応できない場合,正式な書面を作る必要がある場合等には,加害者側が弁護士に依頼する場合もあります。

 特に任意保険に入っていない加害者が弁護士に依頼するような場合には,賠償金を十分に支払えないのに弁護士に依頼することに反発を覚えることもあります。

 しかし,加害者に弁護士がつくことで,現実的な分割弁済案の提案ができることもあります。

 加害者の弁護士から受任通知が届いてもまずは冷静に話をしてみて,必要に応じて自分も弁護士に依頼するかを検討してください。

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